ライター雑記



 先日、武道関係の人から話を聞く機会があったのですが、今はどこの道場もやっていくのが大変みたいですね。
 そもそもまず「道場」なんてものを持つのが難儀で、大概は公営私営の体育館を定期的に借りることで我慢しなくてはならない。当然、充実した活動は望むべくもなく。
 首尾よく買うなり借りるなり、あるいは代々受け継いでいたりなどして道場を持てば持ったでまた難儀。ただ維持していくだけでも金が飛ぶ。収支の合う経営をしようと思えば門弟を多数集めなくてはならず、それには交通の便、道場環境、興味を引きやすい活動内容などの点で恵まれている必要があるが、無論、そんなところが滅多にあるはずもなし。結局は少数の門弟から高額の月謝を集めることになり、そうなれば彼らの足が遠のくのは自然のことで。
 空手や柔道のようなメジャーな武道はまだともかく、マイナーな古武道の道場などは、ほとんどがそんなどうにもならない状況になってしまっているようです。

 しかし、そういう方々には何としても踏ん張って欲しいところ。
 武道は文化です。芸能です。そして一つの人の道です。……殺人術がうんたらかんたらとかいうのは糞どーでも良い。
 過去から連綿と受け継がれてきた業と精神を更に後代へと伝え、未来における温故知新の足がかりとさせるのは現代という時代の責務。
 苦境をむしろ糧とし、自己を高める修行として、武道者の人々には挫折せず進み続けて欲しいと切に願います。
 同じく、武道を志す者として。


 ちなみに奈良原が師範代やってる東京某所の剣術道場は、駅から五分で空調完備でトイレからシャワーからテレビに冷蔵庫までそろっていて経費ゼロ。流儀の縁者の方が好意で提供してくれているところなので。
 苦境? いえ別に何も。あー、そういえば最近トイレの紙切らしてるのが苦境っちゃ苦境かも。誰か買ってこねーかしらー。


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 先日最終回を迎えた「枝篇刃鳴散らす」に関することを少々。
 こちらの連載、挿絵はゲーム原画担当の大崎シンヤさんではなく、唖采弦二さんというこれまた高名な絵師の方が担当して下さっていまして、「枝篇刃鳴散らす」の世界に華麗な彩りを加えて下さっていると言いますか、より正確には枝篇という作品を「絵。あと、なんか注釈文みたいの」つー感じのものにして下さっているのですけれども。
 この唖采さん、挿絵を描く前に、まずキャラクターデザインを上げて下さいます。
 それ自体は勿論、雑誌に掲載されません。
 作られたキャラクター達は、挿絵の一部となることで、読者の方々の眼に触れます。
 しかし。
 中には、せっかくキャラデザしてもらったのに挿絵に登場しない。あるいは、扱いが小さい。
 そういうキャラもいます。
 そして、そういった中には、脚光を浴びずに終わることが惜しくて惜しくてたまらない、いかしたヤツもいるのです。

 その一人。代表格を。
 唖采さんに無理を言ってお願いして、ここに掲載の許可を頂きました。
 枝篇第二話「恋する暗殺者」登場の《ドラク重騎》。
 ご存じない方のために簡単にご説明しますと、ドラク重騎とは「古代の兵士を思わせる合金製鎧に身を包み、槍を手にした、黒色のバイクを駆る騎兵」と作中では表現されていた、ある企業の抱える武装兵です。一人しかいないわけではなく、軍団を形成しています。
 不幸にも、雑誌掲載時には表紙の中でちょこちょこと描かれるに留まりました。
 しかしようやくここで、日の目を見ることができます。
 どうか拍手でお迎えください。







どこのトルーパーですか貴方。


 ちょっと格好良すぎだと愚考する次第。
 とてものことに十把一絡げの雑魚キャラには見えません。
 どう見たって中ボス級です。

 この絵を見た瞬間、自分の中で「忍ぶ恋。るーるー」くらいのイメージでしかなかった第二話が、確固たる世界を持ちました。
 たぶん大幅に間違った方向で。
 そういえばこれの発表時期、エピソード3と重なってたような。
 ……狙ってたんだろうか。

 唖采さんにはいずれ是非、ニトロ作品の原画をやって頂きたいところ。
 同意の方は唖采さんへのファンレターで後押しを。




 おまけ。
 重騎の首領、「ドラクの黒騎兵」全身像。




 …………ええと。
 あんたさ。絶対、通常武器無効だよね。
 エンチャントウェポンプリーズ。


真の最終回
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