奈良原は、角川書店刊行の「ザ・スニーカー」誌上で、「枝篇刃鳴散らす」という作品の連載をしております。
タイトルからわかる通り、この作品は刃鳴散らすの外伝……というと少し違い、世界観を共有しているだけの短編と言った方が正確です。「刃鳴散らす」との間に物語的なつながりはありません。
この「ザ・スニーカー」誌に、クリエイターズコメントというコーナーがあるわけですよ。
要はあとがきです。
しかし、枝篇第二話「恋する暗殺者」が載った八月号には、奈良原のコメントがありません。
いえ。
書いたことは書いたんです。
広報部から、「塵骸魔京の発売と重なるから宣伝よろしく」と言われたので、色々考えて書きました。
字数制限は150字前後。ソフトの魅力を延々と語れるような余裕は全くありません。
といって、露骨に「塵骸魔京すげー。サイコー。買ってー」などと書いたら引かれるに決まっています。
誰よりも自分が引きます。
もっと奥ゆかしい宣伝をしなくてはなりません。
さりげなく。
ほんのりと。
あたかも花の香りのように、静かに読者諸氏の脳裏へ浸透し、購買意欲を湧かせるような。
そんな書き方はできないものか。
そう考えました。
で。
やってみました。
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「ああ、私のジョニー!」
「どうしたんだい、僕のキャシー。そんなに泣いて」
「私、パパとママの本当の子供じゃなかったのよ!」
「なんだって! どうしてそんなことを言うんだ」
「私、知ってしまったの!」
「なにをだい?」
「パパはアナルファッカーだったのよ! いつも私のお尻しか使わないの!」
「Oh,myGod!」
伝奇ADV『塵骸魔京』、好評発売中です。
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結果。
「編集長判断により不採用」
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