【前回のあらすじ】
謎の美少女兵器「コマンチ」よって「ＯＫＳＴＹＬＥ」が乗っ取られてしまった！！
果たしてオウカは自らのコンテンツを取り戻すことが出来るのか！？
飛翔開発の混乱の中、更新まで一月もかかってしまったライバル出現編、堂々の完結！？




私は奔る。空を奔る。
銀色の残像、鋼の巨鳥、空気の層に白い軌跡を残しながら私を追ってくる三つの影。
しつこい男達。私を求めて迫る─荒い息。

最初の影は直情的。ひたすら愚直に私を目指す。私は振り向く。
私の裾が柔らかく翻り触れる、と、それは弾かれたように落下していく。影が２つになる。

次の影の求愛は強引。贈り物で私の気を引く。
私は構わない。気高く横をすり抜ける。影は軽薄さを露呈してはじけて消える。

最後の影は駆け引き上手。付かず、離れず挑発的。
私は少し、うれしくなる。ささやかな贈り物で挑発に答えてみる。
影は降参して、私の靴に口づけ、そして消える。

私は一人になる。声が、頭の中に響く。優しい声。

「フラメンゴから03へ。いい働きだ、コマンチ。戻っていいよ。」

「了解。ＳＨＹ-03コマンチ、帰投します。一七：三〇に到着予定、着艦準備をお願いします。」

「がんばったね、お疲れ様。」

─優しい声。私は、彼の為に戦っている。


母艦へ戻る。技研の管理室で１５分の講評、データ抽出。
彼が、ねぎらいの言葉を掛けてくれた。

「新しい兵装も上手く使いこなしたね。大回転ブレードスカートや超振動果物ナイフのテストも出来た。
素晴しいぞコマンチ、君から取得できたデータはＳＨＹシリーズに更なる進歩をもたらすだろう」

彼は笑っている。優しい顔。私は俯く。涙が。
ＳＨＹ──その大きな流れの中の、私は一つに過ぎないのだろう。
いつかは旧式になってしまう。彼の一番になれない、半端な兵器─
私は羨望の目を向ける。
４番のケージ。
栗色の髪の女の子が幸せそうに夢を見ている──




■パンダ班長：
そんなわけでぇーーー

●オウカ：
「機神飛翔デモンベイン」発売おめでとぉーーなのでーーーす！！

★コマちゃん：
やかましいわゴルァーーー！！


ちゅどがーーーん


●オウカ：
たーまやー！

■パンダ班長：
いやー再開まで時間かかったなぁ…本当に、ほんとうに大変だったんだよいろいろ。

●オウカ：
勝手に更新しようとしてなまにくとゆーひとにぶん殴られたりしたのでーす！

★コマちゃん：
聞けオンドリャーーーー！！


ちゅどどどどどーん！


●オウカ：
かーぎやー！

■パンダ班長：
うるせえなぁー。こっちが折角再開の喜びに浸ってるってえのに水差しやがって…

★コマちゃん：
そりゃコッチのセリフですわーーーー！


どどんぱぱぱぱーーーん！！


●オウカ：
たーまやー！

★コマちゃん：
あなたたちバカなのォーーー？！
折角、わたくしが過去のトラウマやらなんやら露呈したメロドラマ的とゆーかそんな感じモノローグ、
スルー無視シカト腰折ドロップですか？
感じ悪すぎやしませんか？
なんなのかしらわたくし。なんなのかしらこのコンテンツ！？

●オウカ：
テンション高いでありますねー

■パンダ班長：
疲れるなぁ…コイツ。
だいたい、自分の名前に対するコンプレックスでウチのばかに喧嘩ふっかけてきたんじゃねえのかよ…
ベタな恋愛ネタとか、妄想設定増殖させやがって、
しかも回想の中だとフツーに名前呼ばせてるし…コマンチって。

★コマちゃん：
！！！！！っ
わーたーくしを本名で─

●オウカ：
オウカはばかじゃないでありますよーーーー！

ずどどどーーーん！

●オウカ：
はわわー！パンダさんが成層圏の藻屑に！
なんて事をするんでありますかーー！

■パンダ班長：
………オーウーカーのーパーンーチーのー方ーがーはーやーかったーぞぉーーーーー


どさっ


★コマちゃん：
なっ…！やりますわね…さすが最新型！
初速で最高速を刻むＯＰシステムは 私の世代では確立されていなかった技術ですわ。

●オウカ：
許せないのですっ！
動物虐待は情操教育上でも深刻な悪影響があるのですよ！

★コマちゃん：
ふっ…面白くなってきましたわ。 手加減はおしまい…
いざ！勝負よオウカ！

●オウカ：
のぞむところでありますよー！

■パンダ班長：
なあ俺最近さ、会話のキャッチボールってすっごく大切だと思うんだ…

★コマちゃん：
全てをこの右手にかけてッ！
エネルギーロック解除！　はああああッ！


きゅみみみみみー


●オウカ：
はわわ、すごいエネルギーが集まっていくでありますよー？

■パンダ班長：
おーしいい機会だ！　コッチもアーカム出張で仕入れてきた秘密兵器で対抗してやろうじゃねえか！
東京都国立市でフツーに暮らす戦闘兵器のオウカちゃん（14）はある日街を歩いていると空から降ってきた隕石に激突、九死に一生を得たが実はそれは異性人が命を半分肩代わりしているおかげでしかも宇宙人ってのは魔法が高度に発達した星の出身で以下略！　魔法のステッキ以下略！
そーれポチっとな！

ぱかぱーーーん

●オウカ：
ふんぬー！
「魔導兵装オウカちゃん」でありますよー！
どんとこいなのでーす！！

★コマちゃん：
見かけが変わったくらいでこの技をしのげるものかっ！
くらえっ！
烈鎖反動、ドゥエ・フェノメノ・ストライク！！

●オウカ：
はあああああああ！！


ばりばりばりばりばりばり！！


レンダ：
うーーーん…こ、ここは？はっ！
ってえええええっ挿絵参照！

■パンダ班長：
ふっ若いな…おれは諦めが肝心だということを知ってるぜ？

レンダ：
一応解説しとくとＳＨＹ（スーパーＨＡＫＡＩユニット）03コマンチは斥候用の機体として建造、
情報収集の確実性を高めるために向上された近接戦能力故、多種の特殊兵装のテスト機として模擬/実戦を多く積んでいる！
計測データは無論バックアップされて自己進化プログラムで解析、能力向上も余念がないから 君の所のヒヨッコ兵器では絶対勝てないことを言っておくよ！！

■パンダ班長：
決着の瞬間引き伸ばして解説加える姿勢は…嫌いじゃないぜ。
この間0.05秒！！


ちゅどどどどどどどどどーーーーーん！！ 


そして世界は白く染まった。
私は自分が、目を醒ましたことに気付く。
視点がゆっくりと合っていく。
白い天井、白い蛍光灯。
天板のタイルの格子状の継ぎ目を追いかけ、終着点を探す─四角い、部屋。ここは─

「…病院？」

私はゆっくりと体を起こす。
白い寝間着と白い掛け布、壁も床もベッドの足も白い─その中で。視点が止まる。
白い棚の上、赤、マゼンダ、ヴァイオレット。アネモネ──私の、いちばん好きな花…。
ドアが、ゆっくりと開く。彼が─
ハリセンを振り上げて…


べしっ


■パンダ班長：
だからそれはもういいっての…

●オウカ：
しょうりーーー！　でありますよー。

★コマちゃん：
ええええええ？！　結局やっぱり負けたのわたくし？

レンダ：
つっ次は、こうはいかな…い、よ、ぐふっ

■パンダ班長：
慣れるもんだ。そのうち。

●オウカ：
おなかすいたでありますよーーーー！

★コマちゃん：
納得…いきませんわ…ずびっ。

■パンダ班長：
さーよおーなーら〜