凍京都
国 | 日本 |
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地方 | 関東地方 |
知事 | 張井操 |
副都知事 | 鳥山耕耘 |
概要
凍京都はかつて「東京都」と呼ばれ、日本国の首都として、政治・経済・文化の中心地として発展を続けてきた歴史を持っています。
地球規模の氷河期・スノーボールアース化が始まった2100年以降も、地下熱源「セントラルホットゾーン」を利用した対寒冷化高圧水蒸気循環ネットワーク「ホットパイプ」をいち早く構築したことで、世界有数の対寒冷化融雪インフラを持つ最先端のメガロポリスとして歩みを止めることなく発展を続けました。
寒冷化によって日本の各都市が分断状態となり、統一された国家機能が低下した2199年現在でも、東京から凍京へと改称されておりますが、「GU(ゲオサーマルユニオン)」「世界対寒冷化都市ネットワーク」などの議長都市を務めるなど世界政治の中心地の一つとなっております。
こうした現在の凍京を支える対寒冷化融雪インフラは世界でも類がなく、現在では都内に500万人以上(ただし、統計データ不足のため推計の数字)の人間が居住しております。
この人口は、ネシャヴェトリル地熱発電所を有するアイスランドの首都レイキャヴィーク市、アメリカ工業の新しい中心地となったロッキー山脈イエローストーン市などの地熱世界都市に並ぶものがあります。ここ十年は一日の凍死者が平均200人以下となり(非納税者・不法滞在者を除く)、米中戦争後の2186年に記録された一日の凍死者2489人という数字の十分の一以下までに下がってきております。
これら寒冷化対策の成果は、2151年に都庁・軍警察運営委員会の共同政策方針として発表された「寒さに耐えて守りぬけ我らが凍京2151」以来、一貫して行われてきた対寒冷政策の賜物と言えるでしょう。
その成果は、凍京が世界でも高い地域ブランドを持った観光都市として認知されてきたことでも証明できます。旧お台場地区を中心とした高齢者処分特区や、最新のスマート・ディルドーやナノスキンコンドーム・スプレーなどの豊富な商品が集まるアジア最大級のショッピングエリア・上野アメホコには、多くの観光客が訪れています。
観光客や都民の皆様が安心できる凍京をめざし、都庁の「安全・安心な都市・凍らない凍京」の各種政策だけではなく、高度に組織された軍警察によって、リビングデッドなどを使用したネクロマンサー・テロを封じる徹底した対策が実施されており、違法逮捕者や軍警察隊員の誤射によって死亡する都民の数も年々減少傾向にあります。
現在の凍京都政は、浅草再整備計画によって建設された浅草新凌雲閣こと新凍京都庁舎が中心になっておりますが、司法・治安の要である軍警察は増築改築された旧新宿都庁舎を本部としており、「浅草‐新宿都政二頭体制」と呼ばれるようになりました。この二つに凍京都のエネルギー供給の大部分を担う、凍京湾上のメガフロートを拠点にする帝国エネルギー社を加え、「凍京三頭体制」と称されることもありますが、この三つが現在共同で推進しているのが「凍京リバースプロジェクト」です。
スノーボールアースと化しつつある地球の中で、成長の止まった人類を再び繁栄に導こうという空前絶後の一大プロジェクトのために、都庁・軍警察・帝国エネルギー社は共同推進委員会を設立するだけでなく、都庁内に「凍京リバースプロジェクト推進本部」を設置するなど、凍京は新たな時代に突入しております。
歴史
- 2151年8月 - 「寒さに耐えて守りぬけ我らが凍京2151」という軍警察主導の都政広報戦略によって、東京は凍京と改称。初代凍京都知事に穴井晴郎就任。
- 10月 - 「浅草再整備計画」が発表される。計画の中核を担う「帝国次世代エネルギー研究所」は、帝国エネルギー社と名称を変更。
- 11月 - 凍京都が電子暗号付きの公文書を全てパピルスに変更。
- 2152年9月 - 「勤労感謝の日」にボランティア活動を行うことが義務づけられる。違反者は年30日の労役が課せられることに。
- 11月 - 穴井都知事が何者かによって暗殺され、凍京湾で氷漬けになった遺体が発見される。
- 12月 - 黒川太郎が2代目凍京都知事に就任。
- 2153年1月 - 黒川都知事が何者かによって暗殺される。凶器は氷柱とみられるが詳細は不明。
- 2月 - 川良柳剛が3代目凍京都知事に就任。
川良都知事が何者かによって暗殺される。死体は雪解けの時期、雪だるまに埋められているのが発見される。 - 3月 - 小鳥遊蘭歩が4代目凍京都知事に就任。
小鳥遊都知事が厄払いのため周囲の猛反対を押し切り、佐野厄除大師へと向かい遭難。九死に一生を得る。
大寒波襲来。凍京都での凍死者およそ2500人。
- 2月 - 川良柳剛が3代目凍京都知事に就任。
- 2154年1月 - 雷門がサイバー雷門として復活。正月は初詣客で未曾有の混雑となり、将棋倒しとなって100人が死亡。
- 3月 - 前年の大寒波の慰霊のため、凍京雪祭りが開催される。
- 2155年4月 - 日本政府がロシアの技術供与を受け、霞ヶ関の旧省庁を霞ヶ関人工牧場として活用する。
- 2156年8月 - 凍京都が2164年の夏期国際運動競技祭の誘致に成功。
- 2157年10月 - 秋葉原のホットパイプ試験運転中、浅草再整備計画の反対派によるテロが発生。主幹ホットパイプが破損し、多数の死者が出る。
- 8月 - 秋葉原から浅草にホットパイプが迂回、超ゲットー化が急速に進む。十分な熱量供給を得た浅草では、毎年8月に浅草サイバーカーニバルが行われることに。
- 2159年6月 - 凍京湾新生会議が発足。民間団体からは若き天才実業家天知寿一郎が参加。
- 2160年4月 - 凍京都公式ホームページ開設。
- 10月 - コネクトリングの着用率が99%を突破。
- 2161年5月 - 新凌雲閣が竣工。
- 2162年 - クレイジードラゴンが大ブーム。常飲による死者も多数出る。
- 2163年2月 - 第三次米中戦争と寒冷化の激化で、凍京国際運動競技祭の中止が決定。
- 2164年2月 - 国際運動競技祭中止の代替として、凍京マラソンが開催。第一回大会では、試験運用中の自動運転公共車両ネットワークが暴走、多数の死傷者が出る。
- 2165年4月 - 山手線ホットパイプ主幹が完成し、凍京復興の機運が高まる。
- 2166年11月 - 芝公園に遺伝子強化雑木林の植林が開始。
- 2167年12月 - 帝国エネルギー社が高効率タービンを開発。
- 2168年3月 - 小鳥遊都知事が佐野厄除大師へと向かい遭難。死亡。
- 4月 - 富士見恵里菜が5代目凍京都知事に就任。
- 2169年10月 - 自動運転公共車両ネットワークの運用が開始される。
- 2170年3月 - 池袋万国博覧会が開催。
- 2171年7月 - DOOM DOOM BURGERの1号店が浅草にオープン。以降、急速にその数を拡大する。
- 2172年12月 - 八丈島南方沖地震が発生。凍京各地でホットパイプが破損し、死傷者が続出する。
- 2173年8月 - 上野植物園が完成。
- 9月 - 米中戦争の主戦場である東南アジアからの移民が急増。
- 2174年3月 - 汐留ベジドームが完成し、本格的なタワー野菜生産が始まる。以降毎年3月マースレニッツァ(通称ウォッカ祭り)が開催されることに。
- 2175年4月 - ホットパイプに安価なベイパーホログラムを利用した公共広告の表示が可能になる。広告収入で都政が潤う。
- 2176年11月 - ネクロマンシーによる実戦部隊が初めて戦場に投入される。
- 2177年6月 - 仮想環境プログラム「ムクロ・オブ・ザ・デッド」が空前のブーム。社会現象に。
- 2178年12月 - 「ムクロ・オブ・ザ・デッド」が超豪華キャストで映画化。興行成績は大コケ、批評家からも総スカンを食らう。
- 2179年4月 - 池袋CPC設立。久留島美智也がセンター長に就任。
- 2180年4月 - 富士見恵里菜が退任。大久保雷が6代目凍京都知事に就任。
- 2181年12月 - 歌舞伎町で違法仮想環境デートクラブの大規模摘発が行われる。
- 2182年5月 - マイクロロボットから脳波調整用電波発信が規制される。
- 2183年4月 - ザ・フォートレス開園。一部の観光客に喝采を持って迎えられる。
- 2184年2月 - 大寒波到来。凍死者は2000人を超える。
- 3月 - 細菌兵器RU-318Mの突然変異型(通称MARE)がパンデミックを起こす。シーレーンは完璧に途絶される。
- 4月 - MAREの拡大防止対策に向けて、別府で第1回GU(ゲオサーマルユニオン)・通称温泉サミットが開催される。
- 2185年 - ハイパーけん玉ブーム到来。
- 2186年8月 - 米中戦争終結。
- 2187年7月 - 闇ルートで取引される悪質な電気信号ドラッグの濫用による犯罪が多発。違法改造されたものを軍警察は「危険電気信号ドラッグ」と命名。
- 2188年4月 - 民間特別生死者追跡者制度が成立。
- 2189年6月 - サブカルチャー匠制度導入。
- 2190年1月 - スラムドッグが導入され、凍京都の治安維持に貢献する。
- 2191年5月 - 違法老人処分法成立。旧お台場エリアが高齢者処分特区に指定される。
- 2192年4月 - 大久保都知事が引退。7代目凍京都知事に張井操が就任。
- 12月 - 老人処分特区でレイドドッグ雪ぞりレースが開催。年末の風物詩となる。
- 2193年10月 - 池袋CPC閉鎖。
- 2194年4月 - ホットパイプ主幹完成30周年を記念して、凍京都ホットパイプ保全キャンペーン公式キャラクターにほっぱくんが任命される。
- 2195年 - 『浜辺の風景』が大ブームを引き起こす。
- 2196年 - リビングデッドを使用したスラムドッグ狩りが多発。社会問題に。
- 2197年3月 - ソフィア・河原崎が帝国エネルギー社のCEOに就任。
- 2198年4月 - Substance-Conceptが街中でゲリラライブを開始。のべ被害総額は15億円とも言われている。
- 2199年2月 - 凍京Runner No.1 発行。
名称の由来
「東京」から「凍京」へ
それまでの「東京都」は、2151年に都庁・軍警察運営委員会の共同政策方針として発表された「寒さに耐えて守りぬけ我らが凍京2151」を受け、都議会の承認によって「凍京都」へ改称されました。 この「凍京」改称までの道のりは、地球寒冷化と米中戦争の歴史を紐解かねばなりません。2110年に世界気象機関WMO地球寒冷化監視委員会の「スノーボールアース宣言」以後の地球寒冷化と、2141年4月以来の米中戦争は、東京に多くの被害を及ぼしました。
特に2150年の第二次米中戦争激化と地球寒冷化による農地喪失は、世界的な物資不足を引き起こし、当時の東京都知事より「特殊行動警察」から大規模に改編された「軍警察」に対して、「物資統制強化」の命令が下されました。
この際に軍警察の少壮幹部グループから「厳しく闇物資を取り締まるだけではなく、この冷たく凍えた現在の状況を、広く都民に周知徹底させるべき」という意見が噴出し、軍警察上層部も「再び温暖な地球に戻るまで耐え忍び、その厳しい状況を噛みしめるためにも東京は、『凍えた都市』という意味の凍京と名乗るべき」という提案をまとめ、都知事に提出することとなりました。 この提案に対し、議会の一部から「歴史ある東京という名前を変える必要はない」という反対意見も出ましたが、軍警察から反対議員一人一人への丁寧な説得が功を奏し、反対を唱えた議員の数人が行方不明になるなども重なって、2151年8月をもって「東京都」は「凍京都」へと改称されることが、議会全会一致で可決されました。
以来、都では「東京」という表記は公式書類等では使用せず、すべて「凍京」と表記することが条例で定められております。
自然
寒冷化した地球・氷河期に対する凍京都の認識
凍京都では、「寒冷化した地球」「氷河期」に関して、以下にように認識しております。
氷河期の始まりは学者や研究機関によって諸説あるものの、2100年前後から予兆があったと思われます。
この地球寒冷化はカリフォルニア工科大学のジョー・カーシュヴィンク教授によって提唱された「スノーボールアース」に近い現象で、赤道付近を除く地球全体に氷床や海氷が発生しております。
2110年に世界気象機関WMO地球寒冷化監視委員会が「地球はスノーボールアース化しつつある」と発表し、以後は「大氷期」(Great ice age)と呼ばれております。この時の監視委員の一人である気象学者が「この死のような凍えた世界に打ち勝つため、人類はネクタル(nectar、ギリシア神話で神々が常食とする生命の酒)を探さねばならない」と発言したことは有名です。
こうした「大氷期」がなぜ発生したかは、現在も様々な研究機関で解明が進められておりますが、2100年前後に多発した火山の噴煙がきっかけではないかという説が有力です。2098年のアイルランド、2099年のフィリピン、2100年のハワイ、同じく2100年の日本など、なぜかこの時期に大規模な噴火が多発しております。
これの火山ガスによって温室効果の減少が始まり、温度の低下によって極地から氷床が発達し始めたと考えることが出来ます。
地熱によって辛うじて人類が定住可能な地域に人口が集中していますが、氷床や海氷・また赤道付近に蔓延する感染症MAREによりこれらの都市間の交流・流通は困難を極めており、個々の都市の自治と自給体制は高度な発展を見せました。
この地球寒冷化がいつ終わるのか?
それは凍京都が関知することではありません。
地理
浅草
サイバー雷門
米中戦争で見るも無惨な姿となった雷門は、凍京都が推進した浅草再整備計画により文化的シンボルとして位置づけられ、サイバー雷門として復活しました。
浅草は現在、凍京でも屈指の高級住宅街・観光スポットとして知られており、民間用の強化外骨格を使った駕籠かきや民間警備会社の人工筋肉スーツ・サムライが織りなす光景は、2199年の凍京を象徴する風景とされています。
新凌雲閣
新凌雲閣は、浅草再整備計画の際、新宿新都心からの凍京都議会の移転地として浅草に建造されました。
明治期に浅草に建築された旧凌雲閣を範にとったこの建物は、サイバー雷門と共に凍京の文化復興のシンボルです。
西部を見守る軍警察本部と連携して、凍京東端浅草から、東洋に誇る文化都市を監視しているのです。
上野
上野植物園
旧上野動物園を改装して作られた、凍京大学付属の植物園です。
クラックリペアガラスで上部を覆い、ホットパイプを地下に埋めて気温を保っています。すでに失われた東南アジアの植生の忠実な再現が試みられており、現地の小型動植物なども存在します。
アメホコ
上野付近に存在する歴史ある商店街で、活気に満ちあふれた商業取引が行われています。民間軍事会社「エクリプス社」の庇護の下、比較的治安も良好で、屋台村が活況を呈しています。店の軒下で飲むような居酒屋が並ぶ光景は、日本の原風景とも言えるでしょう。
新宿
新宿は歴史ある繁華街で、様々な地域の人々が入り交じるその土地は、人種のるつぼと呼ばれています。軍警察がすぐ側にありながらも、民事不介入を徹底するその姿勢もあって、比較的トラブルの多い地域となっておりますので、お出かけの際にはご用心下さい。
軍警察本部
「軍警察」も参照
現在、旧東京都庁舎は軍警察本部として使用されています。第一本庁舎を増改築し50階建てとなり、凍京を睥睨し治安を守ります。その双塔を支えるウルトラストラクチャー構造は、巡航ミサイルの直撃でさえ耐えると言われています。
第二本庁舎は日本でも有数の先進医療機器が備えられた軍警察付属病院となっており、高額納税者の治療が可能となっています。
ネオコマ跡地
新宿に存在する巨大な廃墟です。長年ホットパイプが使用されていないため、山手線内では珍しい積雪が見られる地域となっております。
現在軍警察主導で再開発計画を検討中ですが、権利関係の複雑さから放置されています。
鴉済生死者追跡事務所
凍京都でも屈指の腕利きが揃う生死者追跡事務所です。
所長の鴉済燎子を始め、臥龍岡早雲・牙野原エチカ・壱原時尭など、信頼できる民間特別生死者追跡者が所属しています。
住居の貸し出しが可能で、燎子所長の手料理は大変好評ということですので、腕に覚えのある生死者追跡者の方は採用試験を受けてみるのもいいでしょう。
新大久保
義城生死者追跡事務所
義城蜜魅が所属する事務所です。
都内でも有数の生死者追跡事務所のひとつで、鴉済生死者追跡事務所とはライバル関係にあります。
所在地は新大久保となっておりますので、ご依頼の際は防寒対策をお整え下さいますようお願いいたします。
旧お台場エリア
かつてはテレビ局やイベント会場を抱え、一大アミューズメントパークとして賑わっていたこの地域は、費用対効果を考慮した結果、ホットパイプの敷設を断念、一般居住区は廃棄されました。それに代わり生み出されたのが、アミューズメントパークとしての「高齢者処分特区」です。違法老人の有料射撃体験は、都民の貴重な娯楽体験として、大変高評価を得ています。なお、有料射撃体験での収益の一部は、青少年の医療・教育費として使用されます。ぜひご体験ください。
超ゲットー(旧秋葉原)
浅草再整備計画により融雪エネルギーが不足し、山手線圏内にありながらも雪に覆われた地域の一部です。基本的に治安は悪く、各地域勢力の緩衝地帯として空白地域とされています。違法物資が取引されているという情報もありますので、可能な限り近づかないようにお願いいたします。
雪ニルヴァーナ
超ゲットーに存在するジャンクパーツショップです。
コン・スーが店主を務め、マニア向けの年代物パーツの売買、サイボーグ・メンテナンスなどを行っております。
生死者追跡者のサポート業も兼業しているとの噂もありますが、その詳細は不明です。
会員制となっており、不審者は正当防衛で射殺される可能性もございます。来店の際はご注意いただけますようお願いします。
池袋
東南アジア方面からの移民のうち略奪行為を行う者、通称「マラッカ・ギャング」が絶えず抗争を繰り広げる大変危険な一帯となっています。ネクロマンサーの活動も活発ですので、くれぐれも近づくことのないようにお願いいたします。
CPC(チャイルド・プロテクト・センター)
2179年、米中戦争の長期化に伴う治安の悪化で急増した孤児に対応するため、都の民間委託によって誕生した、児童保護育成施設の名称です。
高度な医療・教育を施す進歩的な施設でしたが、米中戦争終結後の2193年に閉鎖、現在では廃墟となっております。
渋谷
中華系の店舗が建ち並ぶ娯楽の街です。
「チャイニーズ・マフィア」と呼ばれる暴力団体が取り仕切っており、治安は決して悪くありません。
違法改造された電気信号ドラッグのやりとりが多発しておりますので、購入の際はご注意下さい。
凍京電波タワー
かつては凍京のシンボルとされておりましたが、既に電波塔としては使われておりません。居住者がいないため周囲にホットパイプは存在せず、遺伝子強化雑木林が取り囲む雪原の光景に覆われています。
凍京メガフロート
帝国エネルギー社が管理する凍京湾上のメガフロートの技術を元にした都市基盤技術の総称です。
都市総合安全監視システム「アドバンスト・イージス・システム(AAS)」に守られ、外界との交流を極限まで断っています。密航者は射殺されます。
住人は「エネルギー貴族」と呼ばれ、凍京都民としては扱われません。
ザ・フォートレス
凍京湾岸地帯に存在する、天知寿一郎所有の巨大施設です。
かつての資源採掘場を再利用しており、地下には天知亜人工業の巨大工場が存在します。
周囲を大量のスマート・マテリアルに覆われており、遠くからは白い壁に見えるでしょう。
一部にはセクサロイド娼館として利用されているという噂もございますが、当局では一切の問い合わせにお答えできかねますので、ご了承いただけますようよろしくお願いいたします。
脅威
ネクロマンサー
ネクロマンサーは、2176年米中戦争中に行われた「Necromantic Tactics」(通称NECROTAC)と呼ばれる戦術のために開発された、死者を生き返らせる技術を使用する者です。
リビングデッドはマスターのネクロマンサーに逆らうことができません。
NECROTACは多くの国で規制もしくは禁止され、ネクロマンサーの多くは戦後にアンダーグラウンドに入り、犯罪行為に手を染めたため、各国で大きな問題となっています。
特に「抗生戦線構想」と呼ばれている思想をバックボーンとした一部のテロリスト集団は、大規模なテロを繰り返し、多数の被害者を生み出しました。
したがいまして、ネクロマンサーはテロリストと同義ということができます。
リビングデッド
「リビングデッド出没情報」も参照
ネクロマンサーによって、死霊を注入され、脳と心臓が再び動作、血液も循環させられた動く死体のことです。マスターにあたるネクロマンサーの意のままに動きます。高度な技術を有するネクロマンサーは、多数のリビングデッドを遠距離で操ることも可能です。
死霊
ネクロマンサーが死体をリビングデッドにするために注射する特殊な液体です。
神経に擬似信号を送るマイクロマシン、機能が低下した内臓や筋肉を無理やり動かすための生体アクチュエータ、人工多能性幹細胞などが主な材料となっていますが、その原理は現代科学では解明できていません。
注射されても生きている間は効果がありませんので、直後に殺されないようにご注意下さい。
自殺志願者たち
「抗生戦線構想」の提唱者であり、史上最高の賞金額がかけられたネクロマンサーであるミルグラムに心酔する、秩序破壊を目論み大規模テロを行うカルト集団です。
「自殺志願者たち」の上位には、ネクロマンサー・リビングデッドを多数統率する「実験室」と呼ばれる組織があるという情報もありますが、詳細は不明です。
もし、この組織に関しての情報をお聞きの方は、軍警察等の治安機関にすみやかに通報してください。有益な情報を提供して頂けた場合は、公的治安事案報奨金制度により特別報奨金が支払われます。
実験室
ミルグラムが特に重用するネクロマンサーが集まるテロ組織の名称です。各国でリビングデッドを用いた大規模破壊活動を行っております。軍警察を始め、各国の警察機関がその情報を収集していますが、組織の実体は不明とされております。
抗生戦線構想
ネクロマンサーで特甲級犯罪者に指定されているミルグラムが提唱する危険思想です。
「死は安らぎではなく克服するべきもの」と吹聴し、自殺志願者たちの犯罪行為を誘発する、行動指針となっております。
彼らの声には、絶対に耳を傾けてはいけません。
副都知事誘拐事件
7月8日未明、凍京都副都知事鳥山耕耘が、ザ・フォートレスへと向かう途中何者かによって誘拐された事件です。
指名手配中のネクロマンサー唐雲山が主犯格とみられていますが、その詳細は不明となっております。
情報をお持ちの方は、軍警察等の治安機関にすみやかに通報してください。
治安維持・防衛
「凍京の治安維持・防衛」も参照
軍警察
軍警察は、それまでの警察組織では対処不可能な事案を扱う治安組織として、2150年8月に発足されました。
2143年に公共安全通信システム運用とメッシュ・ネットワーク犯罪対処のため設立された治安組織「特殊行動警察」が前身組織ですが、米中戦争下の国内治安維持対策を意識した部隊編成・組織構築が行われ、通常の警察や自衛陸軍などでは対処が困難な都市ゲリラ・テロリスト対策などに特化した組織として発展してきました。
現在では治安維持だけではなく、凍京都内の都市インフラ保守管理、公衆衛生、情報統制、物価管理などの多岐にわたる活動をしており、司法だけではなく行政組織の役割も担っております。
発足当初から米中戦争で戦闘を経験した者が多く、実戦主義・実力主義の組織風土が培われて、現在でも多くの人材を受け入れ、東中野には「軍警察東中野学校」という大規模な教育施設も有しております。
軍警察の予算や人事は凍京都知事の承認を受けて執行されますが、その行動は自衛陸軍大将、自衛陸軍中将、統合幕僚長からなる軍警察運営委員会によって監督され、実質的な運営は軍警察治安維持局長によって行われます。
現在の軍警察治安維持局長は、牙野原鉾康軍警察少将です。
生死者追跡者
生死者追跡者は、国・都がその技術・技能を認定したリビングデッド等の「特別生死者」を追跡及び対処を行う民間委託業者の通称です。正式には民間特別生死者追跡者、もしくはプライベート・スペシャル・リビングデッド・ストーカーとも呼ばれます。
2176年にネクロマンシーを使用した戦術「Necromantic Tactics」(通称NECROTAC)が登場し、その技術開発が各国で盛んになります。しかし、そうした技術のテロリストや犯罪者への拡散が懸念され、米中戦争が終結した2186年に一部の有識者によって、世界的なネクロマンシーの不拡散と規制を目的とした国際条約締結運動が始まります。
日本でも実際に戦場でネクロマンサーやリビングデッドの脅威を味わった人々、元自衛陸軍出身の鴉済五勝氏や現軍警察治安維持局局長である牙野原鉾康氏などが「軍警察や自衛陸軍に属さずとも、ネクロマンシー対策に有効な人材を確保すべき」という提言を行い、これを都庁が受け入れ、2188年に正式に許認可を受けた「民間特別生死者追跡者制度」が始まります。
リビングデッド・ストーカーは治安維持の一翼を担うという性格上、民間ではありますが特別な優遇処置が取られています。
これらは武器保有や公的年金加入の他、軍警察附属病院に細胞を預けることや、緊急時に特別な治療を受けることなども含まれます。
近接銃術
近接銃術は、「Necromantic Tactics」(略称NECROTAC)と呼ばれるネクロマンサーを使用した戦術に対抗するために生まれた、近接戦闘を主眼とした格闘技のことです。
エクストリームCQCを元に戦場の中で発展してきた格闘技で、アメリカ軍では「Close Quarters Armed Martial Arts」(略称CQAMA)、近接銃術が最初に普及したロシア軍では、「武装(アルージエ)サンボ」(Оружие Самбо)とも呼ばれています。
近距離の射撃での弾丸を節約しつつ、白兵戦にもスムーズに移行でき、効率よく大量の敵に対処することを想定しています。
マズルスパイクつきの銃で殴り、バヨネットを駆使し、寝技や関節技も積極的に仕掛けていく複合コンバットシューティングスタイルで、日本では自衛陸軍の近接銃術教導隊によって、外部電脳エクスブレインを併用した先駆的な研究開発が行われています。
近接銃術教導隊
米中戦争中、対リビングデッド戦に有効とされた近接銃術の技術を効率的に広めるため自衛陸軍に設立された特殊部隊です。2丁のリ・エリミネーターをシンボルマークとしたこの部隊は、現牙野原鉾康軍警察少将が所属していたことで知られています。
エクスブレイン
エクスブレインは、対リビングデッド戦闘に特化した外部電脳デバイスで、人間の意識・感覚を拡張し、近接銃術使用の際の意思決定を補助する機能があります。
主にクローズドヘルメットの形状をし、敵の動きを分析、蓄積されたデータと照合することで、敵の次の行動をかなりの高確率で予測し、「サジェスト」や「アラート」などを表示し使用者の意思決定を補助します。
また、リビングデッドの精度の高い評価・判定を行う機能も付加されています。
日本では、自衛陸軍の近接銃術教導隊と凍京大学の共同研究によって実用化されました。
アドバンスド・タイ捨流剣術
16世紀後半に創始され密かに伝えられてきた凍京古来の武術を、現代のニーズに合わせてアレンジした超実践剣法です。
人工筋肉スーツの着用を前提とし、武器がない状況でも的確に相手を仕留めるべく技術の研鑽が積まれています。
その高度な技術が認められ、2197年凍京都無形文化財に指定されました。
SAD
帝国エネルギー社特殊活動課の略称です。
隊員は主にエネルギー貴族で構成され、生死者追跡者や軍警察などでは対処できない特殊な事態に対処します。
山沼景勝氏が課長を務めています。
経済・産業
帝国エネルギー社
帝国エネルギー社は凍京メガフロートに本社を置き、エネルギー・バイオ・新素材・ナノテクノロジーなどの先進的な研究成果を商業化することに成功した、世界的な総合研究開発企業です。
その前身である「帝国次世代エネルギー研究所」は、2150年8月に凍京地下の熱源「セントラルホットゾーン」を利用した対寒冷化高圧水蒸気循環ネットワーク「ホットパイプ」の試験運用に成功し、2151年10月に実験開発産業集団・帝国エネルギー社として民間法人化されました。
2197年には、凍京都と「秩序と進歩に関するパートナーシップ協定」を締結し、「ホットパイプ」管理運営や「凍京リバースプロジェクト」の特別協賛企業など、凍京都民の生存に必要不可欠なエネルギーやインフラ技術を提供しています。
帝国エネルギー社の社員は凍京都民としては扱われず、都政の選挙権・参政権を有しませんが、司法や行政の面で都民以上の優遇待遇が認められています。
天知亜人工業
凍京を代表する実業家、天知寿一郎氏が若干15歳で立ち上げたヒューマノイド・オペレーティング・マシン製造会社です。
本拠地をザ・フォートレスに置き、かつての資源採掘場を再利用した巨大地下工場で大量生産を行っています。
現在凍京に存在するヒューマノイド・オペレーティング・マシンの9割が、天知亜人工業製といわれています。
研究開発も盛んで、特に性的欲望を喚起する振る舞いにおいて、人間以上に効果を発揮するヒューマノイド・オペレーティング・マシンの実用化が、目前に迫っています。
凍京リバースプロジェクト
「秩序と進歩」をスローガンとし、再び人類の成長を促すべく、凍京都・帝国エネルギー社が共同で推進する巨大プロジェクトです。
帝国エネルギー社CEOソフィア・河原崎が街頭ビジョンで啓蒙活動を行っています。
生活・文化
「凍京の生活・文化」も参照
ホットパイプ
ホットパイプは、凍京の地下熱源「セントラルホットゾーン」を利用した対寒冷化高圧水蒸気循環ネットワークであり、張り巡らされた都市の血管と言うことができます。
融雪水や海氷、覆水、生活排水などを地下に注入し、「セントラルホットゾーン」付近の「人工地熱貯留層」で熱し、そこから取り出した300度以上の高圧水蒸気をパイプで循環させる構造です。
このパイプを通る高圧水蒸気は都市の融雪・寒冷化対策だけではなく、各家庭の暖房、都内各所に設置された高効率タービンによる発電事業などにも使用されています。「ホットパイプ」は山手線や地下鉄や首都高の一部などを利用して建設されておりますが、人口密集地を優先して建設されたため、一部の公園などは熱が行き届かず、氷の廃墟と化してしまった地域もあります。
この「ホットパイプ」の主幹部分は帝国エネルギー社が管理していますが、一般に供給される支管の管理は、軍警察をはじめ地元の組織に移管される形で運営されていますので、ご不満等がございましたら、当該地域の担当組織にご相談ください。
なお、ホットパイプの上空は、熱によって生み出された上昇気流が発生し、大変危険です。航空機のご使用はお控えください。
パイプランナー
凍京都と軍警察が共同で管理する、完全自律型ロボットです。
8本脚の全てに電磁石車輪がついており、磁力を調整しつつホットパイプ上を移動、最高時速は80kmにも達します。
主な役割はホットパイプの整備・修繕と周囲の監視で、パイプランナーが収集した映像データは軍警察へと提供されています。
非常時に対処する火力を有した武装パイプランナーや、小型荷物配送用のパイプキャリアなど、様々なバリエーションが存在します。
凍京の基幹であるホットパイプを守るパイプランナーは、正しく縁の下の力持ちと言うことができるでしょう。
コネクトリング
小型情報端末「コネクトリング」は、情報化社会を支える基盤であり、凍京都ではネットワークへアクセスするための人権の一部として認識しております。マルチフリックを利用した素早い情報入力・ホログラフや軟骨電導による柔軟な情報出力・生体認証を利用したセキュリティ強化・マイクロホログラフィックメモリによる大量のデータ保存・各コネクトリングをノードとして活用したメッシュネットワークの構成は、コネクトリングなくしては達成されません。
歴史を辿れば、東京大電脳戦で破壊された凍京の情報ネットワーク再構築のため、2145年10月「非常事態時メッシュ・ネットワーク使用条例」が発令されました。当時非合法とされていたそのシステムを公式に認めた当時の東京都の柔軟な対応、未来を見据えたその強靱なヴィジョンが称えられるべきでしょう。
ホログラフィックメモリ
ホログラフィックメモリは、スマートマテリアルとナノ結晶光学技術を結集した高密度情報媒体です。通常の規格では、一辺が1cmの立方体、角砂糖サイズの透明なキューブですが、小さくても容量は数百テラバイトにもなります。
読み取り時はキューブが駒のように回転し、参照光が結晶内に入光することでデータを読み取りますが、その際に虹色の光のように見えます。
パピルス
第3世代型のツイストボール型電子ペーパーで、主にコネリンの外部出力装置として使用します。
切り取る際の化学反応で約1万回の書き換えが可能で、動画も半永久的に表示することが可能です。さらに低コストでリサイクルが可能という、夢のような出力装置です。
非常に高度な復号システムが組み込まれているため、コネリン経由で送られたある特定の暗号データは、その暗号を復号出来る特定のパピルスでしか出力できず、公正証書や契約書などとしての活用が行われております。
仮想環境
ヴァーチャルリアリティを指します。ヘッドマウントディスプレイの簡易型もありますが、全方位トレッドミルとホログラム投影システムを併用すれば、リアルな感覚を味わうことができ、ヴァーチャルスフィアやリラクゼーションソフトに利用されております。
近年は特に、脳波スキャンで趣味嗜好を読み取り適切なキャラクターをあてがう「仮想環境デートクラブ」が人気となっております。
電気信号ドラッグ
電気信号を送ることで、人工的に興奮状態をつくり出す機械です。
コイン程度の電極パッドを、ワイヤレスでコネクトリングに繋ぎ、脳を電気信号で直接刺激します。
身体への負荷も少なく、軽度のものなら後遺症もないといわれておりますが、一部闇ルートには身体に多大な悪影響を及ぼす、違法改造されたもの(危険電気信号ドラッグ)が見受けられますので、注意が必要です。 電気信号ドラッグの使用は計画的に。
Substance-Concept
CV:丹下桜(たんげさくら)
凍京の各地に突然現れ、違法ライブを行っている仮想アイドルプログラムです。「サブコン」の通称で呼ばれています。昨年より街頭ビジョンの違法使用を繰り返し、その被害総額は15億円とも言われています。 2010年代に流行した同名の仮想アイドルプロジェクトを模倣したものとみられておりますが、その意図は不明です。
制作者・使用者には、公共安全通信法違反で100年以上255年以下の懲役または禁錮の刑が科せられます。軍警察への情報提供者には謝礼が支払われますので、お心当たりの方は、今すぐご連絡下さい。
ほっぱくん
凍京都が凍京都ホットパイプ保全キャンペーンで公募・採用した公式キャラクターです。応募時は「ホットパイプちゃん」という名称でしたが、軍警察が都合により名前を変更しました。変更後の名称では想定される性別に違いがあるとの訴えを受け、現在デザイナーと係争中です。
凍京Runner
凍京都対寒冷産業局観光課編集の首都圏ナンバーワン情報誌です。
凍京の魅力を余すところなく紹介した、観光者必携の書となっております。
無料配布物となっておりますので、店頭などでお見かけの際はぜひお受け取り下さい。