――広げれば眩く光る羽根、手には二挺の拳銃。
子供が生まれないという奇病に蝕まれ、人類がゆっくりと滅び行く世界。
しかし人々はどうすることも出来ず、ただ漫然と変わらぬ日々をすごす。
主人公ヴィムが天使として生じた時、とうとう最後の子供たちが卒業を迎え、高校すらも姿を消した。
天使とは、その手に握った銃をもって、死を迎えた人間が残す「未練」を消し去る存在。
人の目に映ることも、その手に触れることも出来ず、ただ人の死を淡々と処理していく。
混迷するこの世界で、ヴィムの穿つ弾丸は運命を変えることができるのだろうか?